工場・事務所 工場・倉庫
INFORMATION
「木造でHACCP対応の食品工場は実現できるのか」——
その問いに真正面から向き合ったプロジェクトです。
本計画は、老朽化した既存工場の建替えと製造ラインの集約を目的に、事業採算性を踏まえた合理的な施設づくりとして構想されました。
資材価格が高騰する中、コストと性能の両立を図るため、構造には木造枠組壁工法(2×4)を採用しています。
延床面積1,973㎡、2階建、準耐火構造。
食品工場として求められる衛生性・機能性を満たしながら、木造での実現に挑戦しました。
設計にあたっては、HACCPに対応するための衛生管理と製造動線の整理を徹底。
仕込みから焼成、冷却、出荷に至るまでの工程を何度も検証し、無理のない一貫した製造フローを構築しています。
1階を製造工場、2階を事務所とする構成とし、用途ごとの機能分離を図りながら、作業効率と衛生区分の明確化を両立しました。
構造面では、壁・床・野地にカナダ産OSBを全面的に採用。
断熱性・気密性に優れた躯体性能を確保するとともに、安定供給とコストメリットを活かし、建設費の最適化を実現しています。
さらに、ベイマツLVLにより10mを超えるスパンを確保し、設備配置や作業効率に柔軟に対応できる空間を実現しています。
食品工場という厳しい条件下においても、木造2×4工法でここまでの規模と機能が成立することを示したプロジェクトです。
パン・アキモト様では、約8年前に店舗(石窯パン工房きらむぎ)を2×4工法で建設した実績があり、今回の計画へとつながっています。
「大型建築も2×4でできるようになったと勧められて、木造でチャレンジしました。前例がないことでしたが、設計の自由度も高く、使いやすい工場になりました」とご評価いただいています。
その実現の裏側には、従来の常識にとらわれない設計と検証、そして人と人との出会いの積み重ねがありました。